少し退屈に感じるかもしれませんが、どのModellingの講義でもまずこれから始めると思います。Modellingとは何か？ Financial Modellingではなく、広い意味でのModellingという言葉は私たちの日常生活でも意外とよく使われています。広義では、将来の結果を論理的に予測する行為をすべてModellingと呼びます。たとえば、「明日の東京の天気はどうなるだろう？」という問いに対し、気象学者は気象モデリングを使って東京の予想気温や降水確率を予測するでしょう。単なる予測ではなく、過去の気象データを基にした分析を行います。たとえば「このような雲が観測され、この湿度レベルでは過去に雨が降ったから、明日も雨が降るだろう」と予測するのです。
また、今はそれほど興味がなくなったかもしれませんが、新型コロナウイルス初期のころには「明日の新規感染者数は何人出るか？」や、「翌月には何人になるか？」といったことが注目されていました。私も記憶に残っていますが、当時「来月には1日あたり1,000人の感染者が出るだろう」と速報がニュースで流れたことがありました。この予測を最初に発表したところは、医療機関や学会、あるいは医科大学かと思われるかもしれませんが、実際に最も早く発表したところはJP Morganだったと記憶しています。証券会社のアナリストは感染症に詳しいわけではありませんが、彼らは過去のデータに基づき、論理的に素早く予測し、発表したのだと思います。このように、未来の結果を論理的に予測する行為も、広い意味ではModellingと呼ばれます。
次に、残念なことですが、ウクライナとロシアの戦争の話です。戦争が始まったばかりのころ、第三次世界大戦が起きるかもしれないと話題になりました。その際、ニュースで取り上げられたのが「第三次世界大戦が起きる場合、世界の人口はどれだけ減少するのか？」という記事でした。このような予測も、将来の結果を論理的に予測する行為であり、軍事学者たちによって行われると思います。これもまた、Modellingを通じて導き出されるものです。
次に、残念なことですが、ウクライナとロシアの戦争の話です。戦争が始まったばかりのころ、第三次世界大戦が起きるかもしれないと話題になりました。その際、ニュースで取り上げられたのが「第三次世界大戦が起きる場合、世界の人口はどれだけ減少するのか？」という記事でした。このような予測も、将来の結果を論理的に予測する行為であり、軍事学者たちによって行われると思います。これもまた、Modellingを通じて導き出されるものです。
科学者たちは「10年後の海面はどうなるか？海面上昇によってモルディブのような島国は水没するかもしれない」と予測しています。これも環境学者が様々な要因を基に、広い意味のModellingで予測した結果だと思われます。
スポーツ好きな方はよくご存じかと思いますが、「2026年のワールドシリーズ優勝チームはどこか？」これも実はModellingによって予測できます。例えば、サッカーやバレーのようなスポーツはデータで説明することが難しいですが、野球というスポーツはデータが非常に重要です。過去のDataを基に分析することで、「LAドジャースが優勝するだろう」や「優勝確率は20%」といった結論を出すことが可能です。これも広い意味でのModellingの領域です。
また少し面白い例として、ある俳優Aと俳優Bの熱愛が報道されたとします。特に、この俳優さんたちが美男美女である場合、翌日にはネット上で彼らの将来の子供の顔予想写真が出回ります。このような子供の身長や外見に関する予測も、将来の結果を論理的に推定する行為であり、広い意味でModellingと呼ばれるものです。
ここまで広い意味でのModellingについて見てきましたが、私たちがここで学ぶのは広義のモデリングではなく、狭義の「財務または金融モデリング」、英語でいうと「Financial Modelling」です。将来を論理的に予測する行為という点では同じですが、広い意味でのModellingと何が異なるのでしょうか？私たちはあくまでも、「投資の意思決定」を目的としてModellingを行います。
例えば、「2030年の電気自動車バッテリーの市場規模はどうなるか？」という質問が挙げられるでしょう。最近人気のTeslaやEV電池メーカーに対する投資を検討している場合、意思決定のために将来の市場規模の成長可能性を見極め、市場規模を「予測」する必要があります。この際、財務モデリングを通じて市場規模を予測します。実際に、私たちの講義でも市場規模を予測するためのセッションが用意されています。
101講義で集中的に学ぶことは、「3年後にTeslaの営業利益はどうなるか？」といったModellingです。このような将来の業績を予測することで、Teslaに投資すべきかといった意思決定ができるようになります。このような予測も財務Modellingの一つの領域です。
この講義を受講する方々の中には、不動産業界の方も多くいらっしゃると思います。例えば、ある土地を保有していて、そこにショッピングセンターを建てるべきか、アパートを建てるべきか、何を建てるべきかを判断する場合や、建てるとしたら資金調達はどうするか、収益率はどれくらいになるかといった一連の意思決定において、各選択肢の未来を予測することが財務モデリングのうち、不動産モデリングの領域になります。
また、この講義はインフラ業界の方も多く受講されています。最近、韓国ではプサンに新しい空港を建設するという話が出ていますが、これに関する数百の意思決定にも財務モデリングが活用されます。空港だけでなく、発電所、港湾、高速道路など、様々なプロジェクトの意思決定においても、財務modellingが活用されています。
さらに、製薬・バイオ業界でも大きな投資判断が行われています。小規模なバイオテック企業などでは、臨床試験を実施するたびに非常に大きな支出となり、その結果が企業の運命が左右することが多いです。このような場合、臨床試験を進めるかについては次のように判断されます。例えば、糖尿病の新薬候補がある場合、将来の糖尿病患者数を予測し、この薬を開発すると1年に何回服用する必要があり、価格がいくらになるかを想定し、売上予測を立てます。そして、その売上が見込めるなら、臨床試験を進める価値があるという結論づけることができます。
そして、おそらく現在多くの方が気になっているのは、株式投資の意思決定でしょう。個人投資から大規模なM&Aまで、「Teslaの現在の適正株価はいくらか？現在の株価水準は割安か割高か？」などでしょう。今、私が「適正株価」と言いましたが、そもそも株価は将来のEventをあらかじめ全て織り込んでいます。特に、Teslaのような株の場合、10年後、20年後のEV市場の成長を織り込み、現在の株価が高い水準になっているのです。
結局、株式においても将来を予測できなければ、現時点で投資すべきかを判断できません。これまで様々な財務モデリングの例を挙げてきましたが、重要なことは、投資の意思決定です。投資判断のため将来を論理的に予測する行為、それこそがFinancial Modellingであり、財務モデリングと呼ばれるものになります。
