今回は念のため、簡単に準備しました。帳簿価格、英語でBook Valueと市場価値、英語でMarket Valueについて簡単に説明します。
まず、Book Valueの場合、文字通り会社の帳簿、つまり会社の貸借対照表に記載されている金額を指します。私たちがこれまで101の授業で見た数字は、すべてBook Valueと言えます。一方、Market Valueは市場で評価される金額を指します。Book ValueとMarket Valueの間に大きな差が生じる代表的な例として、不動産を挙げることができます。Book Valueは一般的に歴史的原価で記録されており、私たちが学んだように、減価償却費が認識されるとその分だけ減少します。例えば、ある建物を10年前に100億円で購入し、毎年1億円の減価償却を行った場合、現在その建物の帳簿価格は90億円となります。しかし、10年前に100億円だったその建物は、現在市場では150億円で取引されることもあるかもしれません。したがって、この建物のMarket Value、つまり市場価値は150億円となります。
会社の株式価値も同様です。株式の帳簿価格、英語でいうEquityのBook Valueは、帳簿に記載された金額そのもので、総資産から総負債を引いた金額になります。しかし、会社の株式の市場価値はどのように分かるのでしょうか?それがまさに時価総額です。市場で見た会社の株式の全体価値は、現在の株価に株式数を掛けることで導き出すことができます。
一般的には、帳簿価格と市場価値、どちらが大きいのでしょうか?必ずしもそうではありませんが、帳簿価格は歴史的原価で記録されるため、一般的には市場価値の方が大きい場合がほとんどです。今後、財務諸表の数字を話す際に、その数字がBook ValueかMarket Valueかを正確に区別する必要がある場面が出てくるでしょう。この2つの概念について理解が深まったことを願って、次のセッションに進みましょう。