これから学ぶ内容は、3大財務諸表の連携についてです。英語ではThree Statement Connectionsと呼ばれています。このパートでは、Three Statement Connectionsについて簡単に紹介した後、Three Statement Connectionsに関する基本的な質問から中級・上級レベルの質問まで取り上げる予定です。それでは、Three Statement Connectionsとは何でしょうか？ここでは、3つの財務諸表がどのように連携しているのか、そして1つの取引が各財務諸表にどのように影響を与えるのかを理解しようとしています。アナリストやバンカーは、財務諸表を分析し、財務予測を作成するために、この概念を基本的に必要としています。このため、このテーマは投資銀行やプライベートエクイティのポジションのインタビューでよく質問されます。モデリング過程、テクニカルインタビュー過程、プライベートエクイティインタビュー過程を準備している場合、この部分は必ず押さえておかなければなりません。
では、基本に戻って、いつこのThree Statement Connectionsが必要となるのかを見ていきましょう。基本的に、利益とキャッシュフローが異なる場合の4つの組み合わせがあります。これは会計のすべての難しさが始まる点です。もし利益とキャッシュフローが一致していれば、財務分析やモデリングで特に困難はないでしょう。しかし、これらの2つが異なる場合、問題が発生します。
その理由は、皆さんご存じのように、会計は発生主義を採用しているためです。これにより、実際のキャッシュフローと差異が生じる可能性があるということです。最終的にはその結果は通常同じになりますが、一時的な差異により、貸借対照表に資産と負債の項目が生じます。また、このような場合にはキャッシュフロー計算書でキャッシュフローの調整が必要です。もちろん、この一時的な差異も時間が経過することで、徐々に、あるいは特定の時点で逆転する現象を示します。それでは、キャッシュフローと会計基準での利益が異なる可能性のある4つの状況をまず見ていきましょう。
まず第一に、損益計算書では利益として認識されますが、キャッシュフロー計算書では実際に現金が受け取られていない状況があります。逆に、損益計算書では利益として認識されにくいですが、現金を受け取った状況もあるかもしれません。第一の場合は、売掛金（accounts receivable）や未収収益（accrued revenue）のアカウントが生成され、第二の場合は前受収益（unearned revenue）や繰延収益（deferred revenue）のアカウントが生成されることがあります。
売掛金や未収収益は、すでに売上として認識されているが、現金が受け取られていないために発生します。会社の観点から見ると、これは将来的に受け取る現金であるため、資産として認識されます。逆に、前受収益や繰延収益の場合は、すでに現金を受け取ったものの、顧客に対して商品やサービスを提供しなければならない状況です。したがって、将来的に提供しなければならない義務が生じたため、資産ではなく負債として認識されます。
費用についても同様です。損益計算書では費用として認識されているが、実際には現金が流出していない状況があるかもしれません。このようなケースは、減価償却（depreciation）、無形固定資産の償却（amortization）、退職給付債務（pension liabilities）、貸倒損失（bad debt expense）などでよく見られます。例えば、退職給付債務は将来的に現金を支払わなければならない義務を示すため、貸借対照表には負債として記録されます。減価償却と無形資産償却は、資産に対する反対勘定、英語ではcontra accountとして記録されます。これについては、後の講義で詳しく扱います。
最後に、現金が流出したが、損益計算書ではまだ費用として認識されていない場合もあります。このような項目には前払費用（prepaid expenses）、資本的支出（capital expenditures）、資産計上した研究開発費用（Capitalized R&D expenses）、または在庫の購入などが含まれます。このような場合、会社に将来的に経済的利益を提供する可能性のある資産勘定が作成されます。
では、この3つの財務諸表はどのように連携するのでしょうか？私はインタビューを準備している方や財務モデリングを行っている方々に、この公式を必ず覚えておくことを強くお勧めします。この公式は、私たちが扱わないような難しいケースにも適用できます。この公式をぜひ覚えてください。
これから私たちは常に損益計算書から始めます。前にも何度か触れましたが、損益計算書は会社のパフォーマンスをできる限り正確に測定しようとしています。この観点から、この取引が損益計算書で売上として認識されるか、費用として認識されるかを考える必要があります。こうして売上と費用を認識した後、結果的に純利益が計算されます。これは正の値である場合も、負の値である場合も、さらにはゼロである場合もあります。
ここで本当に重要なのは、損益計算書の純利益が必ず貸借対照表とキャッシュフロー計算書に繋がるという点です。まず、損益計算書の純利益はキャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローの開始点になります。次に、純利益は利益剰余金の期末残高に影響を与えます。年末の純利益の金額分だけ利益剰余金の数値が変更されます。これが第一段階です。
第二段階は、キャッシュフロー計算書の観点から見ることです。キャッシュフロー計算書は、純利益から始まり、実際の現金の変動額で終わるのですが、その違いがなぜ発生するのかを説明します。このような違いは、なぜ違いが生じるのかを中間で一つ一つ調整するもので、これらの調整は主に営業活動、投資活動、財務活動の3つに分類されます。それでは、私たちはどうすればよいかというと、最終的に現金がどれだけ受け取られたのか、あるいは支払われたのかを徹底的に現金の観点で考えればよいのです。その後、純利益と実際のキャッシュフローがどこで違いが生じるのかを中間で示すだけで済みます。
最後に、現金の最終的な変動は年末の貸借対照表の現金残高に影響を与えます。したがって、損益計算書と貸借対照表は純利益と利益剰余金で繋がり、損益計算書とキャッシュフロー計算書は純利益と営業活動キャッシュフローで繋がります。キャッシュフロー計算書は貸借対照表の現金残高の変動に影響を与えます。これにより、3つの財務諸表はそれぞれ一回ずつお互いに結果をやり取りする構造になっているのです。
ここまで終わったら、最後に総資産が総負債と総資本の合計と一致しているかを確認する必要があります。もし差異があれば、これは一般的に関連する勘定が増加または減少した数値であることが考えられます。
ここまで、Three Statement Connectionsについて説明しました。もちろん、今説明した概念を完璧に理解できていなくても問題ありません。これから50以上のさまざまな例を取り扱う予定なので、今はあまり心配しないでください。では、これから最も簡単な取引のタイプから学んでいきましょう。
